付加価値でものづくりを支えるキーエンスの3Dプリンターとは?
2023/06/14
キーエンスは、FA総合メーカーとして、世界に類を見ない製品を企画・開発・製造することにこだわり続けています。現在も、付加価値の高い製品を提供し続けており、その中でも、3Dプリンター「アジリスタ」は、試作の手間と時間を削減し、高精度な試作品を可能にする世界初の水溶性サポート材を採用しています。
世界のものづくりを支えるキーエンス
キーエンスは、1974年に創業したファクトリーオートメーション(FA)の総合メーカーです。現在は、FAセンサーをはじめ、情報の取得と解析に関する画像処理システムや、それを元にロボットを制御するプログラマブルコントローラーなど、FAに関するすべての製品を取り揃えています。これらの製品は、世界46カ国、230拠点、30万社の企業と取引しており、自動車や半導体、電子・電気機器、通信、機械、化学、薬品、食品など、多くの業界で採用されており、グローバルカンパニーとしての地位を確立しています。
キーエンスは、創業以来「付加価値の創造によって社会に貢献する」ことをモットーとしており、革新的な製品の約7割は「業界初」「世界発」で、ものづくりの変化を支え、イノベーションを加速させる製品を提供することにこだわり続けてきました。そのため、深い知識を持つ営業担当者が生産現場に足を運び、お客様と対話をして、抱える課題に耳を傾け、それをもとに付加価値の高い商品を開発し続けています。生産現場に寄り添うことで、お客様が抱える「生産性の向上」「工程改善」「安全性の向上」「環境対策と省エネ」などの様々な課題に対応できる製品の開発が可能になります。
キーエンスの高精細3Dプリンター「アジリスタ」
キーエンスの3Dプリンター「アジリスタ」は、ものづくりに携わる開発者のために開発された業務用の3Dプリンターです。ものづくりには、「Quality(品質)」「Cost(価格)」「Delivery(納期)」の頭文字を取った「QCD」が基本だと言われています。現在、3D-CADによる商品設計が一般的ですが、画面だけでは製品の詳細が伝わりにくい課題を克服するために、3Dプリンターが登場しました。3Dプリンターは、3D-CADで作成した形状データから立体モデルを直接造形することができるため、Rapid Prototyping(RP装置)として使用することで、試作品開発にかかる時間やコストを削減することができます。
キーエンスの3Dプリンター「アジリスタ」の特長は、インクジェット方式を採用しており、高精細な造形が可能であることです。インクジェット方式は、複数のノズルから微量の樹脂を噴射するため、精密な造形が可能になります。アジリスタは、積層ピッチが15μmを実現しているため、十分な精度があり、1度に256個のノズルから面になって材料を吐出することができるため、15μmを維持しながら素早い造形も可能になります。また、アジリスタは、アクリル板に少量のウレタンを配合しているため、ネジを締めても割れない靭製があることも大きな特長です。一般的に、造形過程で形状を保持するためにサポート材を使用しますが、アジリスタは世界で初めて水溶性のサポート材を使用しており、そのため、サポート材を除去する必要がなく、設計寸法通りの造形が可能になります。
キーエンス3Dプリンター「アジリスタ」の価格
キーエンスの3Dプリンター「アジリスタ」には、いくつかのシリーズがあり、安価なものから高価なものまで価格が幅広く、それぞれの性能も異なります。詳しい価格については、見積もりを依頼する必要があります。価格を決める要素は、主に「造形精度」と「造形エリア」です。造形精度とは、設計図にどれだけ近い造形物を出力できるかという性能で、3Dプリンターの価格を見る上では非常に重要な要素です。アジリスタは、数ある3Dプリンターの中でも、インクジェット方式を採用しているため、積層ピッチが細かく設定できるうえ、UV光を透過させて徐々に冷却することで反りが少なく、しっかりとした硬化した仕上がりになるため、縦横での強度差も少なくなります。
次に、「造形エリア」とは、3Dプリンターで出力できる造形物の大きさを示すもので、造形できるサイズが大きくなるほど価格が高くなります。また、通常、3Dプリンターを導入する際には、導入前は販売会社が導入までのサポートをし、導入後はメンテナンス会社がサポートを行います。しかし、アジリスタは、導入前から導入後のアフターフォローまでキーエンスが直接対応するため、スピーディーで適切な対応が可能です。キーエンスでは、導入検討のために、仕上がりが分かるように3D-CADデータを元に造形する「無料造形サービス」や、「レンタル機」の貸し出しサービスがあるため、導入前の動作の確認ができます。また、キーエンスのショールームでは、造形ソフトの使用やサポート材の除去体験など、実際にオフィスで使用するための操作を体験することができます。
キーエンスの「アジリスタ」はインクジェット方式を採用しており、高精度な造形が可能であるため、高精度が求められる治具や試作品の製作に活用されています。また、従来のインクジェット方式の3Dプリンターとは異なり、水溶性のサポート材を採用しているため、サポート材を除去する手間がかからず、設置のしやすさにもこだわりました。100V電源があれば設置できるため、設置手間もかからず、オフィスにも設置可能です。