世界最高精度の3Dプリンター!BMFのmicroArch®シリーズを紹介
2023/06/14
BMF社のmicroArch®シリーズは、多くの業界で注目されている「世界最高精度の超精密3Dプリンター」です。自社開発のPµSL技術に基づき、マイクロナノ領域の高解像度の微細加工が可能なため、従来の加工方式では難しい造形が実現できます。様々な分野での活用が期待される製品です。ここでは、BMF社のmicroArch®シリーズの基礎知識や活用方法について紹介します。
BMFのmicroArch®シリーズの特徴
BMF社のmicroArch®シリーズは、「投影型マイクロ3D光造形技術」と呼ばれる、独自で開発したPμSL(Projection Micro-Stereolithography)を採用している業務用3Dプリンターです。microArch®シリーズは、実用的な造形サイズと速度を維持しながら、XY光学解像度2μm/10μm、加工交差は±10μm/±25μmの高い精度を実現しています。そのため、従来の切削加工や金型では難しい複雑微細加工を実現することができます。また、BMF社の超高精度AM技術により、樹脂部品の加工交差は±10μm/±25μmまで縮小された上に、リードタイムは数時間~1営業日まで短縮され、射出成形などと比較して金型作成費用のコスト削減が可能です。
microArch®シリーズには、「2μmシリーズ」「10μmシリーズ」「25μmシリーズ」の3種類があり、中でも「2μmシリーズ」はBMF社の3Dプリンターの中でも最も高い精度を持つものです。特に「microArch®S230」は、超高解像度を維持しながら、従来のmicroArch®シリーズよりも造形サイズは3倍、高さは5倍まで拡大しているため、幅広い分野での活用が可能です。
BMFのmicroArch®シリーズはどんなシーンで使うの?
microArch®シリーズは独自開発のPμSLに基づいて、マイクロレベルの高精度で造形できる世界で初めて商品化された3Dプリンターです。PμSLは一般的な光造形(DLP)と同じように、UVによる樹脂硬化を重ねることで造形し、投影レンズの精密な制御により、数μmから数百nmの解像度が実現できます。そして、超高解像度と厳しい公差を要求するため、3DプリンティングソリューションのグローバルリーダーであるMaterialise社と提携し、カスタムソフトウェアMagicsを標準装備しています。特に、従来の射出成形やCNCでは加工が困難な部品の製造に適しているため、最先端の精密部品開発や実験用の極端器具の製作や、CADデータを忠実に出力してイメージ通りの試作品に仕上げることができます。
実際の使用例としては、医療分野では検査器具や体内に埋め込まれるステント、臓器モデルによる手術支援などに使われています。また、内視鏡のハウジングやインジェクターヘッド、細胞培養用ディッシュ、心臓血管ステントなどにも活用されています。
電子部品では、電子基板に設置する電子コネクタのベース部品やICテストソケット、光電変換器(ダイオード)、光電コンバーターなどに使用されています。
製造業においては、精密電子部品の小型化に伴い、新製品の開発が難しくなってきていますが、PμSL技術を活用することで、設計の反復と検証の間の時間とコストを削減することが可能です。また、これらの電子部品は、機械加工では難しい複雑な形状のものも多いため、microArch®を使うことで課題を克服できました。
大学や研究機関においても、イノベーションが進むなかで、部品はコンパクトになってきています。新しい製品の企画開発としては、人差し指に収まるくらい小さなサイズがベースとなるため、これらを従来のやり方で作ると、手間もコストも非常に大きいです。そこで microArch ® を活用することで、費用と時間の両者の視点から問題解決できるのです。このように新しい製品の企画・開発にmicroArch®を活用することで、時間や手間、そしてコストの削減に大きく貢献しています。
BMFのmicroArch®シリーズが選ばれる理由
BMFのmicroArch®シリーズが世界で選ばれる理由の一つに、microArch®シリーズでしかできない造形があることが挙げられます。なぜなら、microArch®シリーズは一桁μmの解像度で造形することができる世界で初めての業務用3Dプリンターであるため、今まで機械加工やレーザー彫刻でしかできなかった微細加工が可能になりました。人間の髪の毛の直径が40μmから100μmと言われていますが、microArch®シリーズでは2μmの光学解像度で公差プラスマイナス10μmの精度で造形が可能です。この解像度は従来の製品の1/10に相当し、高精度であるほど、造形可能なサイズが縮小していくのが一般的でしたが、実用的なサイズでの高精度な造形が可能になったのです。
microArch®シリーズの技術は、アメリカを代表する研究機関であるMIT(マサチューセッツ工科大学)にて2014年と2015年の2年連続で「今年の10大注目技術」に選出されました。さらに、2019年には権威あるデザイン賞「Red Dot Award」を受賞し、2021年には市場で最も優れた光学・フォトニクス製品に送られるプリズム賞(製造業部門)を受賞しました。そして2022年には、DEVELOP3Dによって「2020年の製品開発を飛躍させる世界の新技術30」に選ばれました。このように、世界のトップクラスでの評価が高いことも選ばれる理由の一つであると言えます。
現在、様々な業界で日進月歩の製品開発が進んでおり、最先端のモノづくりには3Dプリンターが必要不可欠です。BMFのmicroArch®シリーズは、2022年までに世界33カ国、300以上の研究機関、550以上の企業で採用され、世界トップクラスの評価と新しい価値を生み出す原動力と期待されています。
日本ではオルテコーポレーションがBMFの正規代理店となっています。より詳細な情報はオルテコーポレーションに問い合わせるとよいでしょう。