プリンターメーカー

3Dプリンターの基礎知識！メーカーも紹介

2023/06/14

3次元データを元に立体的な物体を造形できる3Dプリンター。個人用から企業用まで、多様な価格帯の商品が登場しています。興味があって試してみたいという方もいるでしょう。しかし、名前は知っていても、3Dプリンターが実際に何ができるのかわからないかもしれません。この記事では、3Dプリンターの基礎を説明します。

3Dプリンターにできること

3Dプリンターとは、3DCADデータを元に造形物を制作する機械です。データを使い、材料を1層ずつ積み上げて立体物に仕上げます。イメージとしては、印刷物を重ねていくようなものです。産業用では、光造形装置という素材を赤外線で固めて積み上げて立体物を作る機械がありました。3Dプリンターは、光造形装置をより手軽に使えるようにしたものです。3Dプリンターでは、素材を紫外線で固める方式や熱で溶かした素材を積み上げる方式などがあります。

使用する材料は、樹脂が一般的ですが、ゴムやプラスチックも使用できます。試作品を作るのに用いられてきましたが、制作物の解像度が高まり、積層ピッチつまり積み上げる素材の幅も狭まり、いろいろな分野で活用されています。制作物も小型から大型まで、そのサイズを問いません。例えば、建築模型や義手・義足、工業用の治具などが作られます。最近では、大型の3Dプリンターを使った家が話題になりました。昔は、複雑な形状の制作物やオーダーメイド品を作ると、ひとつひとつの制作に手間がかかり、コストと時間を要しました。しかし、3Dプリンターなら手間のかかる制作物も、データさえあればすぐに作れるようになっています。低価格モデルもあるため、個人で利用している人もいます。

業務用3Dプリンターのメーカー5選

3Dプリンターを発売しているメーカーは数多くありますが、その中から5つのメーカーを紹介します。

オークマ株式会社

工業用マシニングマシンで有名な企業で、1904年から工作機関の開発販売を手掛けています。旋盤やCNCなどの工作機械を製造し、サーボや制御装置はすべて自社製造です。国内外に拠点を持ち、工作機械は海外でも使用されています。

オークマ株式会社は、金属積層を行えるLASER EXシリーズの3Dプリンターを発売しています。切削や研磨、レーザー焼入れも可能な複合機械で、金属を積層後に制作物をレーザーで焼入れし、禁則加工を1台で完了させることができます。さまざまなサイズのワークに対応しています。

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武藤工業株式会社

製図台のドラフターの製造販売で知られる企業で、1952年に創業しました。現在はCAD、インクジェットプリンター、3Dプリンター、3Dスキャナーなどを扱っています。

3Dプリンターには、FDM形式の低価格モデルや、プラスチックも出力できるモデル、光造形方式の大型造形対応モデルなどがあります。Value3D Resinoid MR-5000は、2つの樹脂を装填できる2ヘッドで構成されたモデルで、通常は接合しない2つの樹脂を井桁状で絡めて接合できます。

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株式会社ソディック

工作機械メーカーのソディックは1976年に創業しました。マシニング、射出成形機、放電加工機などを開発販売しています。放電加工機はトップクラスの世界シェアを持っています。また、独自の射出成形技術を使った自社製射出成形機も有名です。

金属造形の3DプリンターであるOPMシリーズは、積層造形はもちろん、ミーリングによる切削加工も行える複合機です。リニア駆動軸で高精度の加工が可能で、レーザーを使って高速制御して複数箇所を同時造形できます。特殊形状金型の製造が得意で、金型を使う工作機械で利用されることを想定した3Dプリンターです。

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株式会社松浦機械製作所

工作機械で有名な企業で、マシニング、CAD/CAM、金属3Dプリンターの製造販売を行っています。特にマシニングにおいては高いシェアを持っています。また、自社製品の操作や加工を学べるスクールを開催しており、フォロー体制が充実しています。同社の金属3Dプリンターは、2002年から販売を始めており、LUMEXシリーズは、金属粉末を加工テーブル上に敷き詰めてレーザーで焼結し、ボールエンドミルで切削加工を行うことで高強度な高精度金属の造形が可能になりました。また、ファイバーレーザーを用いた高速造形にも対応しています。

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株式会社アスペクト

粉末床溶融結合装置の開発販売、粉末材料の開発販売を行う企業です。以前は海外メーカーの輸入代理店をしていましたが、2003年から自社開発を始めました。大型のハイエンドタイプの装置開発を中心にしています。

RaFaElⅡシリーズは独自のレーザー露光走査方式を採用し、造形スピードを高めました。RaFaElⅡ150-HTは自社開発の粉末材料にも対応しています。現在は、3DCeram社のセラミック3Dプリンターの日本における輸入代理店としても活動しています。また、受託造形にも力を入れています。

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3Dプリンターは様々な価格帯があり、使用できる素材も複数あります。以前は主に樹脂やプラスチックを使用するモデルが多かったですが、最近は企業向けに金属積層と加工が行えるモデルが登場してきました。昔から工作機械を製造販売する企業から、最近になって販売を始めた企業まで、多種多様な企業が3Dプリンターの開発販売を手掛けるようになっています。