業務用3Dプリンターの解像度とは?業務用3Dプリンターの精度を決める要素について
2023/11/28
業務用3Dプリンターの解像度は、そのプリンターが物体をどれだけ細かく、またどれだけ正確に製造できるかを示す指標のことです。通常、解像度は単位長さあたりの最小の寸法で表され、解像度が高いほどそのプリンターは精確かつ詳細に再現できます。
業務用3Dプリンターの解像度
解像度という言葉を聞くと、例えばディスプレイやカメラにおける解像度を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。3Dプリンティングにおいても解像度と呼ばれるものがあり、造形物の細部や仕上げの精度、製品の品質に直結しています。
業務用3Dプリンターの解像度とは?
3Dプリンターの解像度は、そのプリンターが物体をどれだけ細かく、またどれだけ正確に製造できるかを示す指標のことです。通常、解像度は単位長さあたりの最小の寸法で表され、解像度が高いほどそのプリンターは精確かつ詳細に再現できます。
3Dプリンターの解像度は、一般的に「XおよびY軸の解像度」「Z軸の解像度」の2つ分かれます。
XおよびY軸の解像度
XおよびY軸の解像度は、簡単にいえば平面上での解像度のことです。これは通常、プリンターヘッドが移動できる最小の距離を指します。例えば、0.1mmの解像度を持つプリンターであれば、物体を0.1mmごとに再現できるということです。
Z軸の解像度
Z軸の解像度は、物体の高さ方向の解像度のことです。プリンターヘッドが上下に動く最小の距離を指しており、これは層の厚さとして扱われます。例えば、0.2mmのZ解像度を持つプリンターでは、各層が0.2mmごとに積み重ねられます。
解像度に影響を与える要素
3Dプリンターの解像度と、最終的な造形物に影響を与える要素はさまざまです。
光源
光源の特性、例えば波長や強度、照射時間などは、造形物の解像度や硬さに影響を与えます。明瞭な解像度を保つためには、適切な光源の選択や調整が重要です。
材質
使用する材料(フィラメント、レジンなど)の特性、粘度、硬度なども、解像度や最終的な造形物の性質に大きな影響を与えます。
スライサー
スライサーは、3Dモデルを印刷可能なレイヤーに変換するソフトウェアのことです。スライサーの設定によって、解像度や印刷速度が異なります。
業務用3Dプリンターの精度を決める要素
業務用3Dプリンターの寸法精度は、複数の要素によって影響を受けます。主な要素について見ていきましょう。
3Dプリンターの加工原理の違い
各3Dプリンターは異なる加工原理を使用しており、その原理によって寸法精度が異なります。例えば、熱いフィラメントを積層して造形するタイプ、光で硬化させるタイプ、材料噴射法などさまざまです。これらの加工法の違いにより、得られる寸法も異なります。
3Dプリンターの解像度
それぞれの3Dプリンターが持つ解像度の良し悪しも、寸法精度を決める重要な要素です。解像度は主にプリンターの構造や使用される技術、機械的特性、および制御システムに依存しています。
設計の形状
設計の形状も、業務用3Dプリンターの寸法精度に直接影響を与える要素です。設計の形状の例としては、オーバーハング(吊り下がり)、曲線構造、細長い構造、凹凸やテクスチャのある構造、穴や隙間がある形状などが挙げられます。
設計者はこれらの要素を考慮し、特に寸法精度が要求される場合、サポート構造の適切な配置や設計の最適化などを行うことが重要です。
使用される材料と加工条件
プリンターで使用される材料や加工条件は寸法精度に影響を与えます。材料面で見てみると、熱膨張率や収縮率が異なるため、プリント時および冷却後の寸法の変化が生じる可能性があります。
3Dプリティングの加工条件とは、倉庫や設備内の温度・湿度、層の厚さ、印刷速度、造形後の冷却条件などのことです。これらのさまざまな要素が影響して、寸法誤差が生じます。
特殊な条件での印刷や高い寸法精度が求められる場合、慎重な設定が不可欠です。特にフィラメントベースの3Dプリンターでは、温度が低すぎると材料の流動性が低下し、造形物の層がうまく結合されない可能性があります。
高解像度・高精度の業務用3Dプリンターメーカーを紹介
業務用3Dプリンターはさまざまなメーカーから販売されていますが、以下では特に高解像度・高精度を誇る業務用3Dプリンターをご紹介します。
BMF
BMFの3Dプリンターは産業用途に特化しており、10µmの精密光学解像度と±25μmの加工公差を可能としています。この高い精度は、産業向けの詳細なプロトタイプや製品の製造に理想的です。また生産性向上も著しく、より大面積での印刷や中・小ロットの生産に適しています。
BMFの3Dプリンターはカスタムプリントが可能である点も魅力です。各層の露光や厚さの数値を自由に設定でき、特定の要件に合わせたプリントが容易に実現できます。
ほかにも、多様な材料が取り扱える点、3D編集に特化したソフトウェアプラットフォーム(Magicsスライスソフトウェア)が搭載されている点など、多くのメリットがあります。
キーエンス
キーエンスが提供する高精度3Dプリンターは、「AGILISTAシリーズ」として非常に有名です。
AGILISTAシリーズのプリンターは、複数のアイデアから最適な案を抽出したうえで、形状・肉厚の変化を正確に出力できるため、設計の詳細な検証が可能です。また、ねじ締めで組立性が確認できる点、製造前に治具検証が可能である点、小ロット治具をスムーズに製造できる点、流体挙動や温度分布を確認できる機能など、魅力的な特徴が多くあります。
1台のプリンターでアクリル樹脂やシリコーンゴムなどの異なる多様な材料で造形が可能であり、柔軟で効率的なプロトタイピングが行えます。
解像度とは、通常はディスプレイやカメラで使用される用語ですが、3Dプリンティングにおいても非常に重要です。3Dプリンターの解像度は、製品の詳細さや精度に直結しています。解像度は、3Dプリンターが物体を細かく再現し、正確に製造できる能力を示す指標です。高い解像度は、詳細なデザインや精密な仕上げを実現します。
業務用3Dプリンターの精度に影響を与える要素には、3Dプリンターの加工原理、個々のプリンターの解像度、設計の形状、使用される材料と加工条件が含まれます。 高解像度・高精度の業務用3Dプリンターには、BMFとキーエンスの製品が紹介されています。 BMFのプリンターは産業用途に特化し、高い精度と生産性を提供します。キーエンスのAGILISTAシリーズは、詳細なプロトタイピングと多様な材料の使用が可能であり、高精度で効率的なプリントを実現します。